『ハイレベル数学I・A・II・Bの完全攻略』・『ハイレベル数学IIIの完全攻略』は、東大や京大をはじめとする最難関大志望の受験生や、数学が得意で得点源にしたい受験生におすすめの問題集です。駿台文庫が出している大学受験用の数学問題集の中でも最高峰のレベルのものだといえます。
消化しきるまでには大分時間がかかりますし、苦労するでしょうが、これをやり切ればどんな難関大の問題でも手がつかないということは殆どなくなるはずです。
内容
極めて問題のレベルが高い問題集なので、典型問題や入試標準レベルの問題は解けることが大前提です。『Focus Gold』や『1対1対応の演習』をきちんとこなした人であれば、最初は大変でも全く手が付けられないということはないと思います。
定石を知っていることが前提条件になるとはいえ、それだけでは最難関大で出題される問題には歯が立ちません。定石を知ったうえで、様々な角度から出される問題に対して、どうやってその定石を応用してアプローチするかということを学ぶ必要があります。この本は既に習得した定石の利用方法をさらにブラッシュアップし、入試応用レベルの問題でも怖くなくなるレベルまで実力を引き上げることを目的としたものです。
問題数は『I・A・II・B』が44題、『Ⅲ』が41題と、一見少なく見えるかもしれません。しかし、ここに掲載された問題はどれも極めて質が高く、じっくりと研究する価値のあるものばかりです。一つ一つの問題に対して、3ページ以上の解答・解説が付けられていますので、そうそう簡単には消化できないでしょう。じっくりと腰を据えて取り組むことが必要です。解説を読む際は、それぞれの問題に対してなぜ解説のようなアプローチになるのか、という点に着目して読むといいと思います。
旺文社から出ている同じレベルの問題集『数学I+A+II+B / Ⅲ 上級問題精講』と同じ問題もあるので、書店で解説を読み比べて気に入った方を買ってもいいかもしれません。
数学が得意で得点源にしたい人はぜひとも取り組みましょう。一方、数学のレベルがそこまで高くない大学を受験予定の人や、数学が苦手な人、数学を得点源としなくてもいい人にとってはオーバーワークです。きちんと志望校の問題や自分のレベルを見極めた上で取り組むようにした方がいいかもしれません。
取り組む時期
『Focus Gold』や『1対1対応の演習』を完全に消化した上で、高3の4月から始めましょう。1週間に5問程度のペースで進めれば、約2か月で1周できます。完全に消化しきるまでは4~5か月かかるかもしれませんが、それだけの時間をかける価値は十分にある問題集です。1題ずつ、時間のことは気にせずじっくり取り組みんでいきましょう。
夏前までに仕上がったら、夏休み中に2週間程度で復習し、さらに共通テスト後に1週間程度で仕上げれば本番に向けた準備は万全です。