『数学標準問題精講』は、入試基礎レベルの学習を終えた人が入試標準レベルの力をつけるために取り組む問題集です。このレベル帯の問題集にしては難しめの問題も交じっているので、中堅大志望者はこれをゴールとしてもいいでしょう。逆に難関大志望者は、この問題集ではなく『1対1対応の演習』などをこなしてからその先に進んだ方が効率的かもしれません。
『〇〇問題精講』シリーズは入門⇒基礎⇒標準⇒上級と4つに分かれているので、学力・目的別に使い分けることができます。「入門と基礎」、「標準と上級」の間にはそれぞれ大きな隔たりはなくスムーズに接続できますが、基礎と標準の間の開きは大きいので注意が必要です。
内容
入試標準レベルの典型問題を解く力を身につけることを目的とした問題集です。入試基礎レベルまでの問題は解けることを前提としていますので、基礎に不安がある人は網羅形参考書などを一通り終えてから取り組むようにしましょう。基礎固めが終わっていないと無駄に時間がかかってしまい、効率的に勉強を進めることができません。
問題は分野別に分かれています。「標問」と呼ばれる1つの例題を1~3ページかけて解説し、その後に「演習問題」が1~3題ついているという構成です。「標問」の問題文のすぐ後には「精講」という部分があり、基本となる考え方が提示されています。この部分は他の『〇〇問題精講』シリーズと同じですから、入門か基礎をやったことのある人にとってはお馴染みでしょう。
標問の解説は非常に丁寧なのですが、それに比べて演習問題の解説はやや簡素なため、戸惑う人も多いかもしれません(念のため付け加えておきますが、必要なことはすべて説明されています)。標問と演習問題を合わせるとそこそこの分量になりますので、ひととおりの問題をこなしたいという人は標問だけ進め、余裕があれば演習問題にも手を出すということにした方がいいでしょう。必ずしもすべての演習問題をこなす必要はないと思われます。
取り組む時期
中堅大志望者はこれをもって過去問演習前のゴールとしてもいいでしょう。中堅大では標準レベルの問題が解けることを何より最優先すべきですから、難しい(重たい)問題にはあまり時間をかけず、解説を読み流す程度でも構いません。
難関大志望者はあえてこれを使う必要はないと思います。上述のように『1対1対応の演習』などで典型問題を一通り習得してから『ハイレベル数学の完全攻略』や『上級問題精講』に進むといいでしょう。